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NK細胞療法

厚生労働省関東信越厚生局認可2019年2月26日:再生医療等提供計画番号PC3180252

 

NK細胞

24mL(採血管3本分)の採血を行い、2週間の培養を行って、NK(ナチュラルキラー)細胞を数百倍まで大量増殖させて体内に点滴で戻す治療です。Tリンパ球は樹状細胞から「がん抗原」の情報に基づく指令を受けて精密な標的攻撃を行うのに対し、NK細胞は何も指令を受けずに自らがん細胞を攻撃します。Tリンパ球のように教育を受けて後から攻撃能力をつける免疫を「獲得免疫」といい、NK細胞のように何も教育を受けなくてももともと備わった力として敵を攻撃できる免疫を「自然免疫」といいます。NK細胞は、「がん抗原」というがんの目印自体を隠してTリンパ球からの攻撃を逃れているがん細胞を見つけ出して殺傷します。また、NK細胞は抗体が結合したがん細胞を認識して攻撃する「抗体依存性細胞傷害(antibody-dependent cellular cytotoxicity ; ADCC) 」という能力があるため、例えばハーセプチンなどの抗体医薬の抗がん剤と共に用いると相乗効果が得られます。さらに最近では、NK細胞は、体に様々な影響を及ぼし加齢性疾患を引き起こす「老化細胞(senescent cell)」を殺傷する能力があることも分かってきました。このようなことから、NK細胞はがんの免疫療法のみならず、アンチエイジング医療の分野でも大きな注目を浴びています。

東京大学医科学研究所発バイオベンチャー企業のテラ株式会社の培養技術でNK細胞を培養します。

がんのNK細胞療法を詳しくお知りになりたい患者様は医療相談(初回無料)を随時行っておりますのでお電話やインターネットでご予約の上、お気軽にご相談下さい。

 

NK細胞療法についての概略の説明は下記をご覧ください。

 


 

ナチュラルキラー(natural killer ; NK)細胞は、1968年にスウェーデンのKarl-Erik Hellström・Ingegerd Hellström博士夫妻によってがん細胞を標的として攻撃するリンパ球の一種として初めて報告され、さらに1975年にRolf Kiessling教授Ronald B. Herberman教授によって、抗原の認識を必要とせずに初期段階でがん細胞を自然に殺傷できる“ナチュラルキラー(生まれつきの殺し屋)”であるという特徴が明らかにされました[参考文献1~3]。樹状細胞から抗原の教育を受けて初めてがん細胞を攻撃できるようになるTリンパ球とは異なり、NK細胞はそれ自身が何も教育を受けなくても生まれながらにしてがん細胞を殺傷できる能力を持つことから、がんに対する有望な細胞療法として期待が寄せられるようになりました[参考文献4]。

NK細胞がどうして抗原の教育を受けずにがん細胞を認識できるのかは、「NKG2D(natural killer group 2D)という受容体が鍵を握っていることが明らかになってきました[参考文献5]。また、NK細胞は、外敵とみなされる異物に対する抗体(免疫グロブリン ; Ig)が付着した細胞を見分けて殺傷することもでき、このメカニズムは「抗体依存性細胞傷害(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity ; ADCC)」と呼ばれています[参考文献6]。 そしてNK細胞は、「パーフォリン」・「グランザイムB」という分子でがん細胞を直接傷害したり、「Fasリガンド」・「TRAIL (TNF-related apoptosis-inducing ligand)」という分子でがん細胞を自死(アポトーシス)に追いやったりして殺します。

がんの病状が進行すると、NK細胞の機能障害と細胞生存率低下がみられるようになり、これらは体全体のがんに対する免疫反応の低下を引き起こします。そこで、がんの患者様から採取したNK細胞を体外で大量に培養して活性化して体内に再び投与して、がんに対する強力な殺傷能力を回復させるNK細胞療法が試みられるようになりました。NK細胞療法により、さまざまながん種の患者様で、一部で完全寛解がみられたり、無病生存期間の延長がもたらされたりしたことが報告されています [参考文献7~10]。

さらに、NK細胞療法は、樹状細胞ワクチンなどの他の免疫療法と組み合わせることで効果が増強できると考えられています。NK細胞はがん細胞の早期での先天的な殺傷(自然免疫)を行いますが、がん細胞の標的とした長期にわたる免疫制御は樹状細胞によって腫瘍関連抗原(tumor-associated antigen ; TAA)の教育を受けたTリンパ球の後天的な攻撃(獲得免疫)によるものです。樹状細胞とNK細胞は相互に活性化し、がんを標的とするTリンパ球の反応を促進することも報告されています[参考文献11,12]。このようなことから、樹状細胞ワクチン療法とNK細胞療法による複合免疫療法で、がんに対する免疫(抗腫瘍免疫)がさらに促進されることが期待されています。

 

<参考文献>

  1. Hellström I, Hellström KE, et al. Cellular and humoral immunity to different types of human neoplasms. Nature 1968; 220: 1352-1354.
  2. Herberman RB, et al. Natural cytotoxic reactivity of mouse lymphoid cells against syngeneic and allogeneic tumors. II. Characterization of effector cells. Int J Cancer 1975; 16: 230-239.
  3. Kiessling R, Klein E, Pross H, Wigzell H. “Natural” killer cells in the mouse. II. Cytotoxic cells with specificity for mouse Moloney leukemia cells. Characteristics of the killer cell. Eur J Immunol 1975; 5: 117-121.
  4. Srivastava S, et al. Natural killer cell immunotherapy for cancer: a new hope. Cytotherapy 2008; 10: 775-783.
  5. Spear P, et al. NKG2D ligands as therapeutic targets. Cancer Immun 2013; 13: 8.
  6. Titus JA, et al. Human K/natural killer cells targeted with hetero-cross-linked antibodies specifically lyse tumor cells in vitro and prevent tumor growth in vivo. J Immunol 1987; 139: 3153-3158.
  7. Dahlberg CIM, et al. Natural Killer Cell-Based Therapies Targeting Cancer: Possible Strategies to Gain and Sustain Anti-Tumor Activity. Front Immunol 2015; 6: 605.
  8. Escudier B, et al. Immunotherapy with interleukin-2 (IL2) and lymphokine-activated natural killer cells: improvement of clinical responses in metastatic renal cell carcinoma patients previously treated with IL2. Eur J Cancer 1994; 30A: 1078-1083.
  9. Lister J, et al. Autologous peripheral blood stem cell transplantation and adoptive immunotherapy with activated natural killer cells in the immediate post-transplant period. Clin Cancer Res 1995; 1: 607-614.
  10. Ishikawa E, et al. Autologous natural killer cell therapy for human recurrent malignant glioma. Anticancer Res 2004; 24: 1861-1871.
  11. Kalinski P, et al. Natural killer-dendritic cell cross-talk in cancer immunotherapy. Expert Opin Biol Ther 2005; 5: 1303-1315.
  12. Reschner A, et al. Innate lymphocyte and dendritic cell cross-talk: a key factor in the regulation of the immune response. Clin Exp Immunol 2008; 152: 219-226.
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