エクソソームはがんや老化の研究において大変ホットな領域となっています。これまで、細胞から分泌されて外界に排出されるエクソソームについては不明な点も多くあまり顧みられなかったのですが、このエクソソームの中に小さな遺伝子のかけらであるマイクロRNAが含まれており、血液などによって運ばれて流れ着いたエクソソームが他の細胞に取り込まれることによって、遠く離れた細胞と情報のやりとりを行ったりその細胞の遺伝子の発現を調節したりできることが分かってきました。また特にがん細胞は自身の増殖や転移に有利となる情報を含むマイクロRNAを分泌していることが分かってきたため、近年その解析が精力的に進められています。詳しくは、東京医科大学医学総合研究所分子腫瘍研究部門のホームページをご参照下さい。さらにご興味がおありの方は、Thermo Fischer社のミニドキュメンタリーシリーズ「Exosomes—The Next Small Thing : Episode1」や「 Exosomes—The Next Small Thing : Episode3」などもご覧ください(英語版)。